浅見定雄・東北学院大学元教授が、宗教ジャーナリストの室生忠氏と雑誌『創』の篠田博之編集長を相手取って、名誉毀損の損害賠償を求める裁判を起こしたことは案外知られていない。賠償請求額は600万円。
室生氏は同誌に「知られざる『強制改宗』めぐる攻防」という連載を、どう読んでも統一教会側が提供したとしか思えない資料に依拠して6回書いてきた。その2回目の原稿が「『強制説得』の担い手たち」と題して掲載されたのが4月号。話にならない。室生氏はありもしない「全国霊感商法対策協議会」などを創作。日本基督教団など3系統があって、互いに連携するために全国組織として設立されたなどと書いている。その世話人が浅見氏だというのだ。ありもしない組織に世話人などいようがない。
ところが室生氏は浅見氏を「『強制説得』請負人」などと思い込んでいるものだから、浅見=『強制説得』請負人というフレームの色眼鏡で物事を当てはめていく。そのため浅見氏が「精神病院への強制収容にも関わったかのように表現する。この浅見氏側の主張については、この欄で公表した訴状を読んでいただきたい。
ここで明らかにしたいのは統一教会と室生忠氏との関係である。99年8月27日、国際宗教自由連合(ICRF)・日本委員会がシンポジウムを開催。進行役は入江通雅・青山学院大学名誉教授。ここに招かれたのが室生忠氏だった。国際宗教自由連合とは、1983年に宗教自由連合としてアメリカで発足。その後、97年に活動範囲を国際的に拡大してできた組織だ。
この組織が統一教会のダミー団体であることは、アメリカでカルトを研究する者にとっては「イロハ」の「イ」に属する常識だ。なぜか。それは国際宗教自由連合が自ら公表しているからである。そのホームページの紹介文にはこう書いてある。
「ICRF(国際宗教自由連合のこと)は、その基金の大部分を統一教会集団と関係ある諸機関および諸個人から受けていることを、感謝をこめて認める」
しかも事務局長のダン・フェッファーマンは統一教会員で、学位も統一教会が運営するアメリカのバリータウンという田舎町にある「統一神学校」で得ている。この「統一神学校」は文鮮明教祖が1975年9月20日に開校。第1の目的が統一教会の指導者養成にある。国際宗教自由連合・日本委員会の事務局担当が魚谷俊輔氏。魚谷氏もまた1995年に「統一神学校」を卒業した統一教会員だ。室生氏はこういう団体の集会に招かれたのである。
しかも室生氏が熱心に報じる鳥取事件の裁判では、室生氏が統一教会の用意した車に乗る姿を複数の人たちが目撃している。その証言も裁判所に提出された。浅見定雄氏は裁判所に提出した反論書にこう書いた。
室生氏が統一協会からカネを貰っているなどという事実を、私はまだ残念ながら把握していない。ただ、私は、室生氏が本反論書二(1)で述べた「国際宗教自由連合日本委員会」主宰のシンポジウムで幾らの出演料または「謝礼」を受け取ったかには興味があると言った。今となれば、鳥取地裁へ傍聴に出掛けた際の交通費や昼食代についても、室生氏がどのくらい潔癖であったか(あるいはなかったか)、大いに関心がある。
私もまた同感である。