![]() ホーチミン市の雑踏 一九六〇年代末、当時高校生だった私はベトナム反戦運動に加わっていた。それから約三〇年、超大国アメリカを倒したアジアの小国ベトナムは、幾度とない侵略と占領の歴史を終え、静かに民族自決の道を歩みつつある。私にとってベトナムを自分の目で確かめることは、若かった頃の自分自身を跡づける作業でもあった。初めて訪れたベトナム。そこで偶然出会ったひとりのベトナム女性に見たものは、未だ消えることのないベトナム戦争の深く暗い影だった。この原稿は1991年に『月刊タイムス』に連載したものだ。のちに加筆と補筆を行ったのだが、その原稿を紛失してしまった。ここに紹介するにあたって39歳当時の記録としてあえて原文をそのまま掲載する。 |
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