私の週間食卓日記


 6月16日(月)
 7時半起床。ポストに新聞7紙を取りに行くことから1日がはじまる。札幌の喫茶店「RANBAN」から取り寄せている珈琲豆を手動のミルで挽く。共働きのわが家にあっては、これがわたしの朝の「儀式」だ。池袋東武の「メゾンミクニ」で買ったベーコンエビに野菜サラダ。土佐の小夏。「ザ・ワイド」準備などで慌ただしく時間がすぎる。地下鉄で麹町。コンビニ「新鮮組」がつい先日開店。茄子炒め弁当を買い、放送開始の直前に食べる。家で済ませるとオンエア中に空腹となり、仕事に差し支えるから。大手町のジムで泳ぎ、帰宅。奈良の北敏雄・澤子さんご夫妻が手作りの伝統を守る「三輪そうめん」を娘たちと囲む。牛肉の冷シャブ、京漬物、金平牛蒡、無花果。休肝日はなぜか眠い。11時就寝。

 6月17日(火)
 7時起床。パプアニューギニア、キリマンジャロ、グアテマラをブレンドした珈琲豆を挽く。昨日のザンビアに比べれば柔らかい味。「葉山ボンジュール」が天然酵母で20時間かけて製造している「ライブレッド」にきのこと青野菜の炒め物。仕事のあいまには毎日飲んでいる「うこん百年酢」や鬱金粒。昼食は豚生姜焼き弁当。ジムで泳ぐのは生放送のクールダウンが目的。神保町の「東京堂書店」へ。立花隆さんとばったり、ご挨拶。20年前の開店から通っている戦国焼き鳥「家康本陣」。「走れ歌謡曲」の小池可奈さんに歌謡界の情況を伺う……つもりだったが知人のカメラマンやジャーナリスト、『週刊新潮』K記者などがいたので「祝祭」的飲み会に。山形の日本酒「雪むかえ」で豚バラ、ゴーヤ、ネギ、つくねなど。サクランボはサービス。午前1時就寝。

 6月18日(水)
 7時半起床。昨夜の飲酒がいささかこたえ、中華粥とメロン。昼食は焼き肉弁当。「ザ・ワイド」を終え、泳いでから地下鉄で新宿。「鼎」で知人の編集者たちと雑談。生ビールに米焼酎「小鶴」。出し巻玉子、枝豆、江戸前穴子白焼き、イカとんび、さつま揚げ、鰯南蛮漬け。珍しく2次会。作家の辺見庸さんが「隠れ家」にしているバーへ。赤ワインにトマトサラダ。深夜1時半就寝。

 6月19日(木)
 7時半起床。登校する娘たちを見送り、仕事が休みの妻と朝食。ご飯、青菜の味噌汁、納豆にシラス入り大根おろし、厚焼き玉子などいたってシンプル。昼食はカツ煮弁当。夕方になりジムから銀座へ。シネスイッチ銀座で今秋公開の中国映画「再見」に泣く。思想史家の藤田省三さんが「或る喪失の経験」で分析した「失われた路地」の豊かさ。「第6世代」のユイ・チョン監督が描いた中国の変貌は日本の問題でもある。午後9時半すぎに代々木の炭火焼き「馬鹿牛」へ。ひとり物思いにふけるときはいつもここ。生ビールに奄美の黒糖焼酎「まんこい」(「千客万来」の意)。豚バラ2本、ししとう2本を焼いてもらう。谷中生姜に名物「煮込み」で焼酎のお代わり。午前零時すぎに就寝。

 6月20日(金)
 7時起床。麹町「シェ・カザマ」のクロワッサンにアイス珈琲。生野菜とハムの「アウトドア風巻き野菜」に苺。先日亡くなった春風亭柳昇さんの関係者に電話取材。昼は「おおたにや」でカタ焼きそばとあんかけ風野菜。午後7時半、表参道の「アニヴェルセルレストラン」。草野仁さんのご招待でリポーター陣と食事。とうもろこしの冷スープ、活オマール海老と無農薬野菜のサラダ仕立て、渡り蟹のスパゲッテイーニのトマト風味。真鯛のポワレ、和牛フィレ肉のグリル。生ビールに赤ワインはイタリアの「ロッソ・ピチェーノ・スぺリオーレ・レオ・リパヌス2000」。渋谷に出てカラオケ。「いちご白書をもういちど」をリクエストしたらラップ調。まいった。午前2時帰宅。4時ごろ就寝。

 6月21日(土)
 9時起床。いつもの朝食。午後まで原稿を書く。昼食にそうめん、茄子のしぎ焼き、鯖の塩焼き、小松菜とミョーガにシラスのおひたしでサッポロ生ビール350ミリリットルを半分強。夕方から妻と新橋演舞場で「風のなごり」を観る。銀座まで歩いて「寿司幸本店」。アオリイカの耳、蒸しあわび、関アジを肴にエビスビール。フランスの赤ワイン「ボーヌ・クロス・ムーシェ1995」でカンパチの腹骨の照焼き、メバルとアンキモの煮付け。あとはお任せで握り。帰宅して阿久悠さんの『日記力』読了。零時前に就寝。

 6月22日(日)
 8時半起床。アイス珈琲にトースト。温野菜、オムレツ。原稿を書き続け、昼食には札幌「さんぱち」の冷やし中華。午後から雑用で、新宿、池袋へ。9時からNHKスペシャルで沢木耕太郎さんの「アマゾン思索紀行」を見ながら夕食。草野仁さんにいただいた時鮭、芸能リポーターの石川敏男さんにいただいた焼酎「森伊蔵」を堪能。春雨、キュウリ、切り昆布の酢の物、ごぼうと人参のサラダ、白菜と小茄子の漬物、冷奴。よき食欲こそ微量の幸せなり。

(『週刊新潮』2003年7月17日号)

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